2018年7月26日(木)〜31日(火)

〜プロローグ:中国への軌跡〜

2月ごろに、中国の貴州省凱里市で開催される合唱祭に参加しませんか、というお話をいただきました。

これまで、エストニア、グアテマラ、沖縄、長崎、台湾、と国内外への演奏旅行を経験済みのエバグリですから、ノウハウもある程度蓄積されています。
中国はお隣の国だし、近いからそれほど大変ではないだろうと最初は思っていました。合唱祭のイベントが土日中心だったので、仕事の休みもそれほど多く取らなくていいだろうと、少し気楽に考えてたところもあったのです。

参加することが本決まりになった時、凱里市までの行き方を具体的に調べてみました。
すると、まず貴州省までの直行便が無い。また、飛行機を乗り継いで最寄りの空港に着いてからは、凱里市まで鉄道やバスなどでの移動が必要。トータルすると、移動はほぼ丸一日かかることがわかりました。飛行機以外の交通機関を20名弱の団体で利用するとなると、自分たちだけで手配をするのは難しいと判断し、貴州省日本観光センターに手配をお願いすることにしました。
貴州省日本観光センターは、貴州省の観光PR、相互交流を目的に貴州省が設立した機関です。貴州省の公的機関や旅行会社との繋がりもあり、貴州省の様々な情報を詳しく教えていただけたので、今回の演奏旅行では本当にお世話になりました。
結果、成田から上海乗り継ぎで貴陽空港まで向かう航空券と、貴陽空港から凱里市まで専用車の送迎を手配していただくことになりました。これで、午前中に日本を出発し、夜には凱里市に到着することができる、はず、でした(結果、どうなったかは、この後の旅行記をご覧ください)


開催地への往復の交通手段が手配できた次は、演奏プログラムの準備です。
主催側からは、あらかじめ40〜50分程度の演奏曲を用意してほしいという話があったため、演奏する曲を選んで曲リストを一度送付していました。ですが、合唱祭のイベント全体のスケジュールがなかなか知らされず、どの日にどの場所で何時からコンサートがあるのか、他の国からも招待された合唱団がいるはずなのですがどんな合唱団がいるのか、問い合わせをしてもなかなか回答が返ってきませんでした。
コンサートの詳細が分からず不安な気持ちはありつつも、与えられた場面でできることをやろうと練習を進めていました。
出発の2週間ほど前になって、ようやくスケジュールが送られてきたときには、事前情報とだいぶ違うイベント内容になっており、団員一同、驚きのあまり目を疑ったほどでした。
凱里市にずっと滞在して市内のホールでコンサートをすると聞いていたのですが、毎日違う都市に何時間かかけて移動しコンサートをすることに。ホテルも1か所にずっと滞在するのではなく、毎日違うホテルになるとのこと。また演奏曲は、各団1回2,3曲程度。(40-50分ほどのプログラムを練習してきたのですが、披露できたのはその中の数曲ということになりました。)
イベント期間中の移動は主催側が手配してくれるのですが、コンサートを開催する都市がどこにあるのか分からなかったため、これも貴州観光センターさんを通じて問い合わせていただき、詳しく教えていただきました。コンサートスケジュールや持ち時間、リハーサルなどの詳細は分からずじまいだったので、現地で確認しようと、半分達観した気持ちで臨むことになりました。


次に訪れた困難は、ビザ申請です。
主催側と合唱祭イベントの連絡を取り合っている中で、ビザを申請してください、というお話が来ました。
ビザ申請なんて、今までやったことがありませんので、どういう手続きをすればよいのか、どんな書類を用意すればよいのか、全く分かりません。この時も、貴州省日本観光センターさんに手続きのすべてを教えていただき、大変助かりました。
中国のビザ申請のルールは厳しく、現行パスポートに加えて旧パスポート、写真(ただの証明写真ではダメで、サイズが厳しく定められていました)、申請書類、合唱祭を開催する中国現地の委員会が作成した中国語の招聘状、などなど、準備するのに時間がかかるものがたくさんで、大変でした。
何とか出発前に全員分のビザ申請を終え、これで中国行きに必要な準備は全て揃えることができました!


まだ不安要素はいくつかあるものの、楽しい演奏旅行への期待に胸を膨らませ、出発の日を待つこととなったのでした。

<文責:E.Y.>