24日(水)

ワークショップ/日本大使館訪問/教会コンサート

開会式から一夜明けた11月24日、午前中は昨日に引き続き、ワークショップが行われた。今日の合唱団はオーストラリアの「The Australian Voice」とキューバの「Grupo Vocal Leo」である。

オーストラリアの番では、初めに指揮者のStephan Leekさんがオーストラリアの合唱について話してくれた。オーストラリアは移民の国で、先住民アボリジニーの文化とヨーロッパの文化が混在している。オーストラリアで作られる合唱曲には、アボリジニーの伝統的な音楽や歌をアレンジしたものが数多くあり、Stephanさん自身もそのような曲をたくさん作っていらっしゃった。

全員で一緒に練習した曲の一つ目が、『n-ga-na』というアボリジニーの歌をアレンジしたもので、輪唱があったりリズムが独特だったりとても面白い曲だった。

もうひとつ練習した曲が、『Morning Tide』という曲である。The Australian Voiceのみなさんが一度見本で歌ってくれたが、なんて上手いんだろう!と感激してしまった。昨日のコンサートでも素晴らしい歌声を聞かせてくれたが、この朝早くにあまり音響の良くないこの部屋でこれだけ一つにまとまった揺るぎない歌声を聞かせてくれることにただただ驚きであった。

続いてキューバの番である。初めに発声練習を実演で見せてくれたあと、『EL CHAN CHAN』という曲を一緒に練習した。初めにGrupo Vocal Leoのみなさんが見本を見せてくれたが、この曲は踊りつきでこれがとてもカッコいい! 可愛くて素敵なダンスだ。これがラテンというものなのか。あまりのカッコよさに私達は一瞬で魅了されてしまった。リズムも独特で、ステップや腰の動きなどは日本人の私達がどう頑張っても真似できないような動きである。

歌の練習を全員でやったが、リズムが難しくなかなか歌えるようにならない。ひょっとすると中南米の人たちには聴き慣れたリズムなのかもしれないが、私達は慣れないリズムに悪戦苦闘。悔しい思いに駆られて、いつかきっとダンスも含めてマスターするぞ、と心に誓ったのだ。

午後は在グァテマラ日本大使館へ表敬訪問に伺った。今回の演奏旅行では、日本とグァテマラとの文化交流ということで、日本大使館に多大なご支援をいただいた。在日大使オルティス閣下訪問や、手厚い警備も日本大使館の計らいによるところが大きかったのである。改めてこの場を借りて厚くお礼申し上げたい。

日本大使館のある新市街地は、宿舎のある旧市街地とは違って、ビルの立ち並ぶオフィス街である。きれいな街だ。

大使館の部屋に入るまでの手続きが厳重で、やはりつい数年前まで内戦をしていた国なのだということを改めて感じさせられた。

大使館の部屋ではグァテマラコーヒーをいただき、四之宮大使ご自身よりグァテマラについて色々なお話を伺った。大使も私達のグァテマラ訪問を心から歓迎してくださっている様子で、私達もますますやる気になった。

宿舎に戻ると、次は夜の教会コンサートの準備である。会場は宿舎のすぐ隣にあるソコロ教会で、300人から400人ほどの中規模の教会だが、立ち見が出るほどの盛況ぶりであった。

この日のプログラムの一曲目は『O magnum mysterium』。この曲を教会で歌うというのはやっぱり特別な気分になる。敬虔な信者の多いグァテマラの人たちがどう聴いてくれるかを考えると、いつも以上に心を込めて歌おうという気持ちになった。

最後の『Luna de Xelajú』では、またしてもスタンディング・オベーションを頂いた。相変わらずの熱狂的な反応に私たちのほうが逆に驚いてしまった。

休憩時間には教会が開催するチャリティーバザーへ行った。バザー会場で若い女性に話しかけられ、「あなたたちの歌がとても気に入った」と言ってくれた。とても嬉しかったし、聴いてくれた人の生の声を聴けるのは本当にありがたいと思う。

最後は他の合唱団と一緒に全体合唱をした。ここでも改めてグァテマラの人たちはノリがいいなぁと感じた。一曲終わると拍手と歓声とスタンディング・オベーションで応えられ、最後の曲が終わると「otra(もう一度)」という声が止まない。日本ではめったに見られないと思う。グァテマラの人たちは本当に明るくて感情を素直に表現する人たちなのだと感じた。

<文責:八嶋栄美子>