24日(日)

<9月24日>

今回の演奏旅行もいよいよ最終日。毎日が充実していて、あっという間に最終日を迎えたという印象です。 平戸に向かう前に、まずは島の館を訪れ、お世話になった生月の皆さんにお礼旁々ご挨拶に伺いました。 言葉では言い尽くせないほどお世話になった皆さんとお別れするのは寂しいですが、きっとまたお会いできることでしょう。

生月島を後にした私たちの行く先は平戸の田平教会。 ここでの演奏が今回の演奏旅行での最後のイベントになります。 田平教会は、なんと築90年を超え、国の重要文化財にも指定されている伝統のある教会です。 最終日ということで疲れがないといえば嘘になりますが、いざリハーサルということで教会の中に入ると、その独特の雰囲気を前に改めてやる気が沸いてきました。

ここでも、地元の皆さんには大変お世話になりました。 まずは、演奏会運営に奔走して下さった平戸・たびら音楽祭実行委員長の百枝さん。 家族総出ということで、なんとまだ小さなお子さんにまで受付をやっていただきました。 また、今回の演奏会で共演させていただいた江迎(えむかえ)中世音楽研究会の皆さん。 何と主催演奏会の翌週という過密なスケジュールにも関わらず、今回ご共演いただけることとなりました。

そして、いよいよ本番へ。演奏した曲目は以下の通りでした。

【第1部】
サカラメンタ提要より
Tantum ergo
O quam gloriosum
Palestrina:Sicut cervus desiderat
Gibbons:The Silver Swan
Dowland:Come again
【第2部】
Ave Maria
Victoria:O quam gloriosum
Victoria:O vos omnes
(賛助出演:江迎中世音楽研究会)
【第3部】
千原英喜:天地始之事
信長貴富:さくら
信長貴富:赤とんぼ
Ives & Russel:竹田の子守唄
武満徹:翼
武満徹:島へ
【アンコール】
千原英喜:「おらしょ」よりV
信長貴富:島唄

江迎中世音楽研究会さんの演奏は、人数こそ小規模ですが、普段皆さんが音楽と真摯に向き合っているんだな、ということがひしひしと伝わってくるものでした。 江迎の皆さんから刺激を受け、私たちも最大限に力を発揮して演奏できた気がします。 なお、この演奏会の様子は翌日の地方紙の記事でも取り上げていただきました。

また、この演奏会には何と鹿児島から、混声合唱団グリーンエコーの皆さんも聴きに来て下さいました。 グリーンエコーさんとは、2006年5月に仁階堂指揮者と一部団員が生月島に事前訪問した際に、島の館でお会いしたのをきっかけとして、今回の演奏会をご案内していたものです。

大半の団員はグリーンエコーさんとはこのとき初めてお目にかかったのですが、「一期一会」という言葉が頭に浮かび、改めて「出会い」の大切さを実感しました。 お互いその日のうちに帰らないといけなかったので、じっくりお話できなかったのが残念ですが、今後さらに交流を深めることができればよいと思います。

そして、全ての予定を終えた私たちは、一路帰京の途へ。 長崎空港まで付き添ってくださった中園さん、最後までバスを運転して下さった大石さんには、本当に感謝の言葉もありません。

羽田空港についたころは夜9時を回っていました。 しかし身体は疲れていても、それを補って余りあるたくさんの経験や出会いがあり、団員一同、充実感に満たされながら、銘々帰宅したのでした。

【執筆:高橋敦司】